世界自然遺産で2030年までにしたい30のこと
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010Shirakami-Sanchi面積/約17,000ha特徴/青森県南西部から秋田県北西部にまたがる130,000haに及ぶ広大な山岳地帯の総称。このうち、原生的なブナ林で占められている区域が1993年12月に世界遺産として登録された。自然 Nature白神山地には、ブナ原生林が東アジア最大級の規模で分布している。形成されたのは今から約8000年前とされ、人為の影響を受けず原生状態が保たれているのは、極めて重要な存在だ。ブナは日本固有種の落葉広葉樹で、樹齢は約300年、樹高は30mを超えている。文化 Cultureときには豪雪という過酷な自然の中に暮らし、山や川の恵みをいただきながら、独自の生活様式や民俗文化が培われてきたのが白神山地だ。ここを敬愛し、自然と共生してきた人々が築いた伝統や知恵、文化を知ることはとても有意義なことである。生物 Flora and Fauna白神山地では、学術的にも貴重な森林生態系が保たれている。ニホンカモシカやツキノワグマといった14種の中大型哺乳類、クマゲラなど94種の鳥類、約2000種の昆虫類などが生息。植物は地域固有種のアオモリマンテマなど約500種が生育している。生活 Living地域の人々はブナの森を源流とする清らかな水と、山の恵みで命をつないできた。食生活は豊かで、春にはワラビやネマガリダケといった多彩な山菜類が食卓を彩る。川ではアユやイワナ、ヤマメなどが獲れる。清流は日本海へと注ぎ、沿岸は良質な漁場になっている。白神山地登録年/1993年12月

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