世界自然遺産で2030年までにしたい30のこと
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30 things to do by 2030 in Japan’s Natural World Heritage Sites015小笠原海洋センターhttps://bonin-ocean.net/一般社団法人 小笠原ホエールウォッチング協会https://www.owa1989.com/ ウミガメは地球上に7種類存在し、その多くは絶滅危惧種に指定されている。小笠原諸島はそのうちのひとつであるアオウミガメの日本最大の繁殖地だ。かつては食用目的で乱獲され激減したが、保護活動によって30年前の約10倍にまで産卵巣数が回復した。 小笠原海洋センターでは年間約15,000~20,000頭の子ガメが生まれており、そのうち飼育を行う約300頭以外の個体は夜間放流会で放流している。頭上に満天の星が煌めく真っ暗闇の海岸で、前夜~当日未明にかけてふ化したばかりの子ガメたちが一心不乱に海を目指す。彼らが砂をかき分けるかすかな音を聴くと、自分が自然保護に寄与している実感が湧いてくるだろう。 小笠原は1988年、日本で初めてホエールウォッチングが行われた場所。マッコウクジラのウォッチングは初夏~秋を中心に、ザトウクジラは2~4月が適期とされる。最短距離約100m(マッコウクジラは50m)の場所で見るブロー(潮吹き)やブリーチ(大ジャンプ)のエネルギーに圧倒されるはずだ。海上からだけでなく、父島ではウェザーステーション展望台、母島では御幸之浜、鮫ケ崎などからも見ることができる。 ドルフィンウォッチングやイルカと一緒に泳ぐドルフィンスイムは年中催行。イルカを驚かさないように静かに泳げば、好奇心旺盛なミナミハンドウイルカが寄ってくることも。アオウミガメを海へ還す。躍動するクジラやイルカを体感する。13301430

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