世界自然遺産で2030年までにしたい30のこと
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018Yakushima面積/約10,700ha特徴/標高1,000m以上の山々が連なっているため気温の幅が広く、日本全体の自然植生が標高ごとに垂直分布されている。また樹齢1,000年以上の巨大な杉が多く生育している。自然 Nature1400万年前花崗岩が隆起して誕生。宮之浦岳(1,936m)など高山が連なり「洋上のアルプス」とも。標高500mから上は屋久杉、中腹から下は原生的な照葉樹、木々の根元では無数の苔が息づく。月に35日雨が降ると例えるほど雨の島でもある。文化 Culture屋久島の人にとって山は神聖な場所。江戸時代からとされる伝統行事に集落の代表が山頂の祠を参り、無病息災を祈る「岳参り」がある。人口減少で途絶えた集落もあるが、自然への畏敬の念は今も変わらず2007年(平成19)制定「屋久島憲章」に記されている。生物 Flora and Faunaヤクシカ、ヤクシマザルが島全域に生息、滞在中に目にする確率は高い。ウミガメの産卵地で、5~8月の夜の海岸にはアカウミガメ、アオウミガメが上陸する。ヤクヤモリ、ヤクシマオニクワガタ、ヤクシマサワガニなど小さな固有種の他、天然記念物の小鳥も。生活 Livingほとんどが山岳地帯のため海岸沿いに集落がある。山から杉を切り出し、海で魚を取り、農作業をしてきた暮らしを「山に十日、海に十日、野に十日」と言われる。60年前から日本一の雨量を生かし、水力発電で電力を自給。島の生活はまさに自然との共生である。屋久島登録年/1993年12月

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