世界自然遺産で2030年までにしたい30のこと
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006Shiretoko面積/約71,100ha特徴/陸域・海域いずれにおいても北方系の動植物と南方系の動植物が共存する特異な地域。ヒグマが世界有数の高密度で生息し、渡り鳥の重要な中継地でもある。自然 Nature北海道の東部に位置する知床半島は、オホーツク海に突き出た長さ約70kmの半島。世界自然遺産地域は、半島の中央部から先端にかけての陸と海の一部から構成されている。オホーツク海側の斜里町、根室海峡側の羅臼町の間には、羅臼岳、知床硫黄山など知床連峰が横たわる。文化 Culture知床は、北海道の先住民族アイヌの言葉で岬を意味する「シリ・エトク」が語源といわれ、厳しい環境の中、アイヌや開拓者が自然と共生してきた歴史がある。現在は、乱開発防止のため、エコツーリズムなど、行政や地域が連携し、遺産地域適正利用の取り組みが進められている。生物 Flora and Fauna知床の海では、流氷に含まれているプランクトンが溶け出し、魚類や海鳥類、鯨類といった海洋生物を育んでいる。サケは川へと遡上し、ヒグマや猛禽類の食物資源となり、残った死骸は土にかえり森の栄養分になるなど、海洋生態系と陸息生態系の相互関係が築かれている。生活 Living斜里町の主産業は漁業、農業、水産加工業で、宿泊施設が集中するウトロ地区は観光の拠点になっている。一方、羅臼町は漁業が盛んで、スケソウダラやサケのほか、羅臼昆布が有名。中でも羅臼昆布を餌としているウニのおいしさは格別だ。近年は鹿肉などジビエも注目されている。知床登録年/2005年7月

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