Choose your Future.
- World Natural Heritage in Japan -
新型コロナウイルスの感染状況によっては、各自治体ごとに往来の自粛を要請している場合や、施設によって
は休業していることがあります。各自治体や各施設公式ホームページなどで最新情報をご確認ください。
感染拡大防止や感染予防に配慮した行動をお願いします。
<新しい旅のエチケット>
日本の
世界自然遺産について
想像を超える絶景、奇跡的なバランスが生んだ環境、そのなかでたくましく生きる動植物たち。「世界自然遺産」に登録されたエリアには、いずれも替えの効かない、その場所ならではの「自然」が育まれています。
世界には、イエローストーン国立公園やグレート・バリア・リーフなど、さまざまな世界自然遺産がありますが、海に囲まれた島国であり、国土の約70%を森林が占める日本にも、「知床」「白神山地」「小笠原諸島」「屋久島」という4つの世界自然遺産があります。
これらの自然遺産は人類にとってかけがえのない財産であり、次世代に受け継ぐために守られるべきもの。そのためのルールやマナーも設定されています。しかしそれは自然遺産から人々を遠ざけるためにあるのではありません。かけがえのないものだからこそ、そこに人々が訪れ、触れ合い、感じ、次の世代へ伝えていくことが大切なのです。
日本の世界自然遺産への旅は、想像を超える体験となり、あなたの自然への意識や行動をアップデートするきっかけになるでしょう。それは、自然遺産への旅の選択が、その旅先や地球の未来を守ることにつながることを意味しています。いまこそ「世界自然遺産」への冒険の第一歩を踏み出してみませんか?
Back to NATURE
スペシャルムービーに登場する、日本の世界自然遺産エリアと共生する人々のお話から、私たちが次世代に向けてどのようなかたちで自然とつながっていくことができるのか、そのヒントを探ってみましょう。




各地の食を楽しむ
大自然を体感する
4つの世界自然遺産がもつ価値から、
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ポンホロ沼
「ポンホロ沼」は、活火山を含む連山が横たわる知床半島にある「幻の沼」。長い冬を越え、山に積もった雪解け水が流れ出す5月~7月上旬にだけひっそりと姿を現します。ポンホロ沼や沼に向かう遊歩道はミズナラやダケカンバなどの原生林に囲まれており、初夏の太陽の光の下、青々と茂る木々が水面に映し出されます。霧の日には水面と大気の境目が見えづらくなり、異世界に入り込んだような幻想的な景色が見られることも。真夏には沼は干上がり、緑輝く草原に変化。秋には赤や黄に染められた草紅葉となり、その自然美がつくりだす奇跡の造形は、時間とともに楽しめるアートギャラリーのようです。
ホエールウォッチング
知床半島の東側に広がる根室海峡。ここの海水は1月から3月にかけて流れてくる流氷の影響によってプランクトンの宝庫となっており、そのプランクトンを求めて集まる野生のクジラを船上から眺める「ホエールウオッチング」が楽しめます。7月下旬~10月には、体長約18mにもおよぶ巨大なマッコウクジラが現れることもあり、海面で回転したり潮を吹いたりする姿に度肝を抜かれます。そのほかにも1月~3月はオオワシやオジロワシ、4月下旬~6月にはオットセイ、5月~7月上旬にはシャチやイルカを見ることが可能。雄大な海で生き抜く哺乳類たちの躍動感、スケールに感動します。
流氷ダイビング
知床半島の沖合には、毎年1月から3月頃にかけてオホーツク海から流氷が漂着し、海一面を覆います。この流氷の影響によって生まれる大量のプランクトンが知床半島の生物の食物連鎖につながり、豊かな生態系をつくりだしているのです。そんな知床半島の生命の根源となるダイナミックな流氷下にダイビングできるのは毎年2月から3月頃。透明度の高い海のなかから海面を見上げると、雲のように浮かぶ流氷が太陽光によって青と緑のグラデーションに輝く異世界が広がります。「流氷の天使・クリオネ」など、神秘的な海中生物との対面も興奮ものです。
青池
青池は、東アジア最大級のブナ原生林・白神山地の西部に位置する「十二湖」のひとつ。「十二湖」とは、ブナ原生林内に点在する大小33の湖沼の総称で、その散策コースの一番奥にコバルトブルーに輝く青池があります。青く輝きながらも透明度の高い湖面は独特のオーラを放っており、見る者の心を一瞬で奪います。太陽の光や見る角度で表情が変わり、特に6月〜8月の正午頃が最も綺麗といわれていますが、なぜ青く発色するのか、はっきりした原理は解明されていません。鮮やかに透きとおった湖面を覗き込むと、小魚が泳いでいる姿はもちろん、水深約9mの湖底までも見えそうなほどです。
ニホンカモシカ
日本の特別天然記念物に指定されているニホンカモシカは、日本列島にしか生息しないウシ科カモシカ属の固有種。人為的な開発が入らず、約5,000万年前の北極周辺と近い特異なブナ林が残ってきた白神山地には、ニホンカモシカのほか、イヌワシやクマゲラなどの希少な鳥類やツキノワグマなど、14種の中大型哺乳類、94種の鳥類、約2,000種の昆虫類などが生息しています。ニホンカモシカは非常に希少な生物のため、必ずしも遭遇できるとは限りませんが、もし見ることができても驚かさないようにしましょう。
白神岳
白神岳は、標高1,232mの白神山地の主峰で、海岸の海抜0m地点からから登れる山として古くから親しまれています。一方、その地形のために激しい天候の変化に見舞われる山としても有名で、晴天に恵まれた白神岳の登山は幸運といわれています。山頂までの所要時間は約5時間、白神山地の象徴であるブナの原生林のなかを進みます。山頂にある避難小屋は宿泊も可能なので、日本海に沈む夕陽の絶景を見に行くこともおすすめです。
展望台から眺める
ボニンブルー「ボニンブルー」(小笠原諸島の英名「The Bonin Islands」に由来)と呼ばれる紺碧の海に囲まれ、豊かに覆い茂る深緑に包まれた小笠原諸島は、まるで「太平洋に浮かぶ楽園」。父島、母島をはじめ約30の島が存在します。父島と母島には高台となる山と展望台があり、陽光に光り輝くボニンブルーを堪能することができます。また、そこから眺める夕暮れ時の空と海は、息をのむほどの紅に染まります。夜には、天の川に手が届きそうな星空が頭上に広がり、まるで宇宙空間に飛び込んだよう。波や風の音、鳥や動物の鳴き声が心地よく響く、ありのままの大自然を味わうことができます。
ヒロベソカタマイマイの
半化石小笠原諸島だけにしか生息しない固有種のなかでも「カタツムリ」の多様さは群を抜いています。小笠原諸島には100種類を超えるカタツムリが生息しており、そのうち90%以上が固有種で天然記念物に指定されています。島自体が天然記念物に指定されている南島の砂丘では1,000~2,000年前に絶滅したヒロベソカタマイマイの半化石を見ることができます。ただし島外への持ち出しは一切禁止なのでご注意ください。南島ではその貴重な生態系を維持するため、1日の入島者は100人、滞在時間は2時間までと決められています。
ドルフィンスイム
亜熱帯に属し、海の透明度の高い小笠原諸島周辺には、サンゴ礁や熱帯魚のほか、野生のクジラやイルカが生息しています。イルカは一年中小笠原諸島周辺に滞留するため、野生のミナミハンドウイルカと一緒に泳げる「ドルフィンスイム」が一年を通して体験可能です。水着で泳ぎたい方は、なかでも6月下旬~11月中旬がベストシーズン。11月下旬以降もウエットスーツを着て泳ぐことが可能です。野生のイルカと目と目を合わせながら泳ぐ体験は、言葉にできない感動を呼び起こします。
縄文杉
屋久島のシンボル「縄文杉」は、推定樹齢2,170〜7,200年とされる巨木。一般的な杉の平均寿命は最大500年程度にもかかわらず、屋久島には樹齢1,000年以上の杉が数多く残っています。これは世界平均の年間降雨量の約10倍の雨が降る屋久島という恵まれた環境と、花崗岩の山地という栄養の乏しい環境の組み合わせによって、杉の成長が非常に遅くなるため。縄文杉にたどり着くためには、約22km、10時間にもおよぶトレッキングコースを歩みます。ベストシーズンは春。地球と一体化しているかのように根をはる巨大な縄文杉との対面には、大自然の威厳と神秘を感じずにはいられないでしょう。
ヤクシマミドリシジミ
オスがグリーンやブルーのメタリックカラーの輝きを放つ「ヤクシマミドリシジミ」は、キリシマミドリシジミの屋久島亜種で2cmくらいの小さな蝶。なかなかお目にかかることはできませんが、春から初夏にかけての早朝、屋久島の低地〜中腹でよく見られるそうです。日本列島の南に位置しているにもかかわらず、標高約2,000mに迫る山岳を有し、豊かな森林が広がる屋久島には、日本列島の自然がぎゅっと濃縮され、まるで生きた博物館や図鑑のよう。生物や植物の研究地としても重要な役割を果たしています。
※写真はメス白谷雲水峡トレッキング
白谷雲水峡は屋久島の北東に位置する面積約424haの自然休養林。美しい渓流と何百種類もの苔に覆われた深い緑の森、重なり合った巨岩、推定樹齢が3,000年を超える「弥生杉」など、数千年の歳月をかけてつくられた峡谷の美を楽しむことができます。トレッキングコースは約6km。標高600〜1,000mのエリアにあり、散策に必要な時間は4〜6時間ほど。最後の難関、辻峠からひと汗かけば、太鼓岩からの大展望パノラマが待っています。