日本列島の南に位置する島でありながら、標高1,000m以上の山々が連なっているため気温の幅が広く、日本全体の自然植生が標高ごとに垂直分布されている屋久島。また樹齢1,000年以上の巨大な杉が多く生育しており、その屋久杉天然林と植生の垂直分布によって、1993年、日本初の世界自然遺産として登録されました(白神山地も同時に登録)。

別名「水の島」といわれるほど、降水量の多い屋久島は、その「水」が、島特有の生態系と景観を維持するために重要な役割を果たしています。訪れる際はトイレ以外の場所で用を足したり、川で食器類を洗ったり、ゴミを捨てたりしないのはもちろん、登山道以外に足を踏み入れて、岩や倒木に生えたコケを踏まないように注意しましょう。いったん傷ついた植生や景観は簡単には回復しません。

島の生態系と景観に配慮しながらも、屋久島ではこの島特有の自然環境と触れ合えるトレッキングコースが多くあります。推定樹齢2,170〜7,200年といわれる「縄文杉」への定番コースのほか、美しい渓流と何百種類もの苔に覆われた深い森の「白谷雲水峡」、せり出した一枚岩の上から島の景色を一望できる「太鼓岩」など、島の多様な自然の表情を楽しんでみてはいかがでしょうか。