Ogasawara Islands 小笠原諸島
固有生物を育むボニンブルーの楽園
本州から約1,000km南に離れ、亜熱帯の島々で構成される小笠原諸島。一度も大陸と地続きになったことのない「海洋島」で、波や鳥、風などによって運ばれてきた動植物が独自の進化を遂げてきました。小笠原にしか生息しておらず、希少で保護する必要のあるアカガシラカラスバト、オガサワラオオコウモリなどは固有種として、ザトウクジラやイルカ、アオウミガメやサンゴ礁などは美しい海中景観としてこの島を魅力的にしています。亜熱帯起源のムニンヒメツバキや、日本本土起源のナガバキブシ、オセアニア起源のノヤシなど、多様な起源の植物もまた生息。島の環境にあったもの、適したものが生き残り、共存しています。
Through a Day 1日をめぐる
朝日も、煌めく海のボニンブルーも、明かりや建物で邪魔されるものがない星空も。小笠原では広くスペクタクルな景色を堪能することができます。海も森も、ここだけで進化を遂げてきた固有の生物がイキイキと暮らしている姿を探しに行きましょう。
Nagasaki Observatory (Chichijima Island) 長崎展望台(父島)
朝日を見るために父島の北東へ。車道から降りてすぐの長崎展望台で朝日の登場を待ちます。深い夜がだんだんと白み、ほんのり赤みがさす時間を、静かに見つめる時間は尊いもの。今日もまた朝がやってきたことに、自然と感謝の気持ちが湧いてきます。
Information
- 住所
- 東京都小笠原村父島
- 交通アクセス
- 小笠原村観光協会から車で8分、徒歩1分。
Minamijima Island 南島
小笠原に来たら一度は訪れたい場所、南島。シンボルである扇池の海岸は、波の影響で侵食し、穴が空いた岩壁から流れ込んだ海水がエメラルドグリーンに輝きます。島は石灰岩からなる沈水カルスト地形で、地球の躍動を想像させます。
Information
- 住所
- 東京都小笠原村父島
- 交通アクセス
- 二見港から船で20分。
Jinny Beach (Chichijima Island) ジニービーチ(父島)
父島の南西端に位置するジニービーチは、サンゴが砕けてできた白浜と、透き通るボニンブルーを讃える父島で一番美しいビーチといわれています。南島やコペペ海岸から、ボートやカヤックのみで上陸できるため秘境感も満載。陽の光を浴びた海の世界はこの世のものとは思えません。
Information
- 住所
- 東京都小笠原村父島
- 交通アクセス
- シーカヤックか、小型船から泳いで上陸。
Mt. Shokensakiyama (Hahajima Island) 小剣先山(母島)
ジャングルのように大きなガジュマルのトンネルをくぐったり、鎖をたよりに急な崖を登ったり。15分ほどの低山ハイキングで、アドベンチャー気分に加えて登頂時は達成感を味わえる小剣先山。母島の集落や乳房山など360度見渡せて、気持ちのいい風を感じることができるのです。
Information
- 住所
- 東京都小笠原村母島
- 交通アクセス
- 父島から母島へはフェリーで2時間。母島沖港から登山口まで徒歩5分。
Ogamiyama Park (Chichijima Island) 大神山公園(父島)
アカガシラカラスバトを探しに大神山公園へ。大神山地区のヒメツバキの谷とよばれるエリアはアカガシラカラスバトをはじめとする固有種や希少種が多く見られる地域です。目を凝らしながら歩いていくと、「いた!」。ここでしか見られない鳥を見つけたときの喜びは格別です。
Information
- 住所
- 東京都小笠原村父島
- 交通アクセス
- 小笠原村観光協会から徒歩1分。
Mt. Chuozan (Chichijima Island) 中央山(父島)
夜明道路沿いから10〜15分程度で山頂展望台へ辿り着く、軽いハイキングコース。メヘゴやオガサワラビロウなどの固有種が多く、植物園のなかを歩いていくようです。小笠原の固有種シマザクラも白とピンクの愛らしい蕾と花で出迎えてくれました。
Information
- 住所
- 東京都小笠原村父島
- 交通アクセス
- 小笠原村観光協会から登山口まで車で15分(長崎展望台経由)。
Mt. Chibusayama (Hahajima Island) 乳房山(母島)
母島列島のなかでも母島・向島・妹島にしかいないというハハジマメグロ。島間でも行き来せず、小笠原の不思議のひとつといわれているようです。母島の最高峰乳房山は固有植物の宝庫でもあり、植物の観察もしながら歩きます。特別天然記念物のハハジマメグロは小さく可愛らしい黄色と緑の鳥、そして目の周りに黒い三角形の模様があるのが特徴。自由気ままに遊んでいる様子が見る者を和ませてくれます。
Information
- 住所
- 東京都小笠原村母島
- 交通アクセス
- 母島の沖港から登山道入り口まで徒歩10分。
Sunset from the Weather Station Observatory (Chichijima Island) ウェザーステーション展望台の夕日(父島)
父島の西側に位置するウェザーステーション展望台は、水平線に沈む夕陽を見る絶好のポイント。天気がいい日は多くの人で賑わいます。シーズン中はホエールウォッチングをここから楽しむこともできるのだとか。水面に湧き出るザトウクジラのジャンプや潮吹き、かっこいいだろうなあ。
Information
- 住所
- 東京都小笠原村父島
- 交通アクセス
- 小笠原村観光協会から車で約10分。
Night Tour (Chichijima Island , Hahajima Island) ナイトツアー(父島・母島)
小笠原諸島で、夜に出会える生き物のなかに光るキノコのヤコウタケ(小笠原での通称グリーンぺぺ)、そして小笠原の固有種で唯一の哺乳類オガサワラオオコウモリがいます。ナイトツアーに参加すると、ガイドさんの案内でその日いそうな場所まで連れて行ってもらえます。キノコが光るなんて不思議だなと思いながら、密かに発光しているキノコに見惚れるのでした。
Information
- 住所
- 東京都小笠原村父島
- 交通アクセス
- ツアー会社により異なる。
Observing the Stars from the Former Heliport (Hahajima Island) 旧ヘリポートの星空(母島)
2003年まで使用していた、直径30mのヘリコプター離着陸場。360度開けた場所で、人工的な灯りがほとんどない星空観察に最適な場所です。寝転がって眺めてみると、視界だけでなく全身で星を浴びたような心地になります。
Information
- 住所
- 東京都小笠原村母島
- 交通アクセス
- 沖港から徒歩で15分。
写真=阿部裕介、冨田マスオ(南島、ジニービーチ)